私は旅に出た。あたりまえの日常から抜け出すために。
そこには沢山のおどろきがあった。新しい世界。初めての景色。
そこに暮らす人々の日常が、新しい世界であるならば、
ここにいる人達にとっては、あたりまえの世界のはずだ。
新しい世界は、あたりまえの世界であり、
始めての景色は、あたりまえの景色なのである。
あたりまえに雄大で、あたりまえに美しく輝き、
あたりまえに醜く、あたりまえに冷たく残酷である。
旅に出ればいろいろある。
良いこと、悪いこと。
便利なこと、不便なこと。
美味しいもの、まずいもの。
素晴らしい景色、目を覆いたくなる光景。
すべての人が、生きるために働き、生きるために食べ、
生きることを表現しているだけである。
あたりまえの景色は、実はすごくきれいな景色であり、
繰り返される毎日には、刺激が沢山あふれている。
何をどう見るのか。何に重きを置くか。どう捉えるかである。
そして私たちには、強く願えば実現出来るちからがある。
鈴を買うために、日光へ行くことも、
お札を貼るために、ギリシャから帰ってくることも、
本当はそんなこと、どうでもいい。
でもそうやって、制限を付けることで、広がる自由がある。
あなたの強さに頼ってばかりいないで、もっと強くならなくてはいけないとも、思う。
人間で在ることに、あぐらをかいてはいけない。
動物であることを、深く自覚するべきである。
自分が男であり、私が女であることを、確かめ合うことが必要である。
「食べるために生きている」と言い切る、そんなあなたが大好きだ。
なにも、新しい旅に出ようとなんて思わない。
今この瞬間だって、始まったばかりの、旅の途中なのだから。
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